月の心音
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2021.7.2–8.2
ツォモリリ文庫(東京都調布市)
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スギサキハルナ、鈴木彩花、山田絢子からなるアートユニット「月三草」。
月を見上げるナイーブな3つの受容体。それぞれが発揚する生命の脈動。
東京都調布市にあるアートスペース「ツォモリリ文庫」での初展示。
今回の展示タイトル「月の心音」から、メンバーの山田と鈴木のナイーブで柔らかな月明かりのような作品群を受けスギサキは「太陽の心音」と対になるタイトルの壁画をツォモリリ文庫内に制作した。以下壁画についてのテキストである。
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太陽を見つめていると自然と一体化しているような感覚になる時がある。
自然であることを自覚する。太陽から光の粒が降り注いで、点が線となり1本の木のような、長く地中を這う根のような太く大きなものに変容していく。自然は常にただそこにある。そこにあることに委ねること、そしてここにいることを感じること。コロナ禍の中で自身が強く感じたのは「ただここにいること」だった。
壁画の完成後、ヨガティーチャーのSunao riyoさんにヨーガを壁画の前で行ってもらった。画像にもあるアヌローマ・ヴィローマのポーズは「順、逆順」という動作を示す名称。伝統文献から引用すると、〝月(左の鼻)からプラーナ(息/生気/生命エネルギー)を満たし、長く保持して、太陽(右の鼻)からプラーナを解放する。また太陽からプラーナを引き入れて、長く保持して、月からプラーナを解放する〟ものとされる。生命は循環し月と太陽の光と影を繰り返しながら生きる。
「太陽の心音」
この世の余韻を感じること
ここ、この場所を感じ地を踏みしめること
揺らめく太陽を眺め
川となること
怒り、悲しみ、焦り、大地に流し
自分を許すこと
川はいつまでも続いている
静かに揺れキラキラと輝いている
僕らは水になり
太陽になり
月となる
川は貴方の体を流れ
いつまでもどこまでも続いている
