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偶然の着地

2023.3.3–27

ツォモリリ文庫(東京都調布市)

風がヒュウと吹く
からだをあずけて風にのる
空は青くて眩しくて
これからどこへ行くのかな
わからないけど、風にのる
暖かな空気が渦を巻き
偶然の着地まだ見ぬ可能性へと根を降ろす

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感情を持つヒトは、ときに悲しみのあまり、あるいは憎しみのあまり、「生」をないがしろにします。しかし、植物は精いっぱい種を飛ばし、新芽に朝露を抱き、その命を次世代に繋ごうと懸命です。功利を追うことなく、「生きて」「循環する」植物の姿に、ヒトも同様に持っているはずのシンプルな「命」のあり方を重ね、一心に筆をとったスギサキハルナ。土に立てばいつの間にか裸足になる‘永遠の子ども’であると同時に、この世界の違和感を透視する‘早熟な大人’でもあるスギサキの世界観の詰まった絵画の小作品と小さな精霊のような陶人形が並びます。
「午前3時の木のウロは、ただの黒ではなくて、そこに何かが蠢いている奥行きのある黒なのです」(スギサキ)。いくつかの作品には、私的な制作意図を伝える手紙も設置され、作家の感受性を感じ取れる展示となっています。


ツォモリリ文庫:
http://tsomoriribunko.com/haruna_sugisaki_guzenno_chakuchi/

偶然の着地

©︎2023-2025 HARUNA SUGISAKI.

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