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眠る兎/夜の人/葉の子

和紙レジデンス

2019

西会津国際芸術村(福島県耶麻郡西会津町)

西会津の土、顔料、コウゾ、煤

2019年の国際芸術村滞在時、西会津で出ヶ原和紙などの和紙づくり制作している美術家の滝澤さんから手漉き和紙を教わった。まず習ったのが楮の刈り方。そして蒸し釜の火力。楮を1日蒸し、柔らかくなったらひたすらに皮を剥いで、繊維を灰で煮る。しっかりと叩いて繊維を千切る。

昔は紙が貴重だった。その言葉の重みを感じながら工程を学んだ。繊維を繋ぐ糊として滝澤さんが教えてくれたのはノリウツギの木だ。この木の枝を採集し、皮を削る。水でよく揉めばヌタが出る。これを混ぜると繊維が絡み一枚の紙ができあがる。通常の和紙ではあまり混ぜ込まない外側の皮も混ぜ荒々しい和紙を制作した。和紙づくりを経て自然をキャンバスへと持ち込むことを知った。それが特別なことではなく今までずっと伝え継がれてきたことなのだということも体感した。

作品には西会津で出会った動物や夜の山に住む者たちを描いた。
西会津の夜道では沢山の動物たちに出会う。車のライトで白く光る動物たちを見つめていると夜の気配のようなものが彼らの皮膚から伝わってくる。その皮膚の凹凸はなんだか和紙の繊維が織りなす凹凸と似ている。​

眠る兎/夜の人/葉の子

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