西会津 出ヶ原和紙
和紙レジデンス
2020
西会津国際芸術村(福島県耶麻郡西会津町)
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西会津の土、顔料、コウゾ、煤
国際芸術村和紙レジデンスに参加し、西会津の出ヶ原和紙工房で「出ヶ原和紙」などの和紙づくりを行う美術家の滝澤さんから手漉き和紙の技法を教わりました。
出ヶ原和紙工房さんのサイトより少し出ケ原紙の歴史を引用させていただきます。
出ヶ原和紙について
出ケ原紙は西会津町出ケ原地区を中心に作られ、江戸時代には出ケ原杉原が会津藩の公文書用紙に使われ、それ以外にも地紙としての出ケ原紙が多くの集落で作られ、地域では出ケ原といえば紙の代名詞とされていたといわれています。昭和三十年代に生産が途絶えたこの和紙を、故佐藤昭悦氏の流れを引き継ぎ、滝澤徹也氏と地元有志が復活させました。
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和紙づくりに使用したのは、工房周辺に自生する”楮”
西会津では、元々姫楮(ヒメコウゾ)を使用していたとのこと。
今回採集させていただいたものは姫楮と栽培品種双方が自生したものとのことでした。
刈った楮を均一にまとめ、工房の大きな釜で蒸しを行いました。釜が大きいので耐熱のビニールを被せ温度が下がらないようにしながら蒸らしをしっかり行いました。楮の表皮が軸から5mmほど縮んだら温度が下がらないうちに手早く皮を剥いていきます。
剥いた表皮をさらにヘラで削り白皮(白い繊維)を取り出していきます。この白い繊維が和紙になります。
西会津では繊維を雪に晒し雪と日光で皮を漂白すると滝澤さんから教わりました。さらした繊維はこの段階で乾燥させて保管することもできるそう。
雪に1日晒した繊維を回収し湯を沸かし草木灰を加え煮ます。アルカリで煮ることで繊維を柔らかくします。手でちぎりスッと千切れたらしっかり煮込めたサイン。煮込んだ繊維を水に晒しアクを抜きます。ここで繊維の中のゴミやチリ(繊維の黒ずみや硬化したフシ)などを手作業で取り除くチリよりを行います。
チリを除いた繊維を石の上に乗せ叩き棒で叩き繊維をほぐします。
ほぐした繊維はこの状態で丸めて冷凍保管することも可能です。
また、合間をみて滝澤さんが周辺に自生するノリウツギの枝を採ってきてくれました。今回はこの枝の粘液をネリとして使用します。
カッターで表皮を削り水に浸します。1晩置くとバケツにはった水は粘度をもっていました。この液をザルで濾しネリの完成です。
保管していた楮の繊維を紙漉きの木枠が入る大きめの水槽(漉き船)に水、ネリと共に合わせ竹棒で攪拌しようやく紙漉きができる舟水になります。ネリの分量は季節や温度で変えるようですが、長年の感で手で触れ決めているようでした。
実際、ネリが少ないと繊維が美しく絡まないので繊維を観察しながら調整していきました。
この液を簀桁(すけた)で舟水を汲み上げ何度か揺すり紙を漉きます。ここで好みの厚みや繊維の流れを調整します。
お試しで通常では廃棄してしまう楮の表皮を粉砕して一緒に漉き込んでみた所、こちらは野生みのある仕上がりになりました。
漉いた和紙は紙床台に重ねます。水を含んでいるのでプレス機でゆっくりと圧搾します。昔は木製のジャッキや石を乗せて水を抜いていたようです。湿度の高い日本では水を抜き早めに乾燥させることはとても重要な作業かもしれません。
水を抜いた和紙を1枚1枚剥がし板に刷毛を使って貼っていきます。馬毛のブラシが良いようです。また板に木目があるとその木目を和紙が拾い趣のある和紙を作ることができるそうです。
この板ごと和紙を天日干しして完成です。
できた和紙は生成り色で美しく艶がありました。
